360KYUSUで変わるお茶の時間。ミニマルなお茶の道具が持つ可能性
360KYUSYの魅力
お茶に興味を持つようになって最初に手に入れたお茶の道具が、nana's green teaの『360KYUSU』でした。
当時から、わたしはミニマルでノイズの少ないプロダクトが好きで、お茶を淹れる道具を調べている時にこの『360KYUSU』に出会いました。
この急須は「お茶を淹れる文化をよりカジュアルに」という素敵なコンセプトのもとに開発されたプロダクトで、公式サイトの開発に関するエピソードに、以下のような言葉が書かれていました。
「最初に考えたのは「コーヒー」の普及についてでした。世の中で多くの人がコーヒーを飲み、淹れて楽しんでいるのは、多様な道具が存在するからだと思います。この考えを元に、お茶ももっと多くの人に楽しんでほしいと感じた際、利用できる急須の選択肢が限られていることに気づきました。」
このエピソードを読んで、わたしはその設計に対する考えや想いにとても共感をしました。
道具が特別な魅力をもつというのは、ただ単にそれがそういう機能をもちあわせているからではありません。
美しい、かっこいい、素敵なストーリーがある、そんなキモチの部分で共感するところがあるからこそ、道具というものが、より一層に魅力を輝かせるのだと感じるのです。
数百年の歴史を持つ急須は、その基本的な形や構造が大きく変わっておらず、この『360KYUSU』では、最新の製造技術や素材を活用して、新しいアプローチでのデザインが目指されました。
360KYUSYの使用感
実際に使ってみると、この急須は、茶漉し、急須、湯呑みがひとつにまとまっていて、とてもシンプルなのにそれでいて実用的です。
裏蓋は計量カップのようにも使えて、内側にある線に合わせて茶葉を置くと、茶葉の種類にもよりますが、ちょうど一人分のお茶を入れるのに必要な4gぐらいの量になるそうです。スケールを持っていなくても目安として計れるのはいいですよね。
さらに、素材にはトライタンというものが使われています。これは耐熱性と耐衝撃性に優れていて、まるでガラスのように透明なのに、ガラスよりも頑丈で割れづらい素材で、身近なものだと哺乳瓶などにも使われています。
お茶を湯飲みにゆっくりと注ぐ…
優しい時間が流れていきます。
360°からどこからでもお茶を注げる設計で、機能美と装飾美を兼ね備えています。
茶葉が開くのが見えるので、日本茶以外にも中国茶、台湾茶、紅茶などにも対応できます。
欠点を挙げるとしたら、急須で抽出されたお茶が付属の湯呑みに全て入り切らないので、残った分のお茶は抽出され続けてしまいます。味を均一に保つには、お湯の量を調節するか別途で湯呑みをもうひとつ用意する、または茶海の役割をもつ、耐熱サーバーなどに移す必要があります。また素材や色の関係か茶漉しを兼ねた蓋は、汚れやほこりが少し目立ちやすいと感じるかもしれません。
でも、洗えばすぐにきれいになるので、わたしはあまり気になりませんでした。
※ 耐熱温度/100℃ 食器洗浄機等で高温洗浄が可能
※ 電子レンジ・オーブンは不可なので注意してください。